きっかけは、東日本大震災によって余儀なくされた仮設住宅での暮らしでした。

狭いスペースでも取り組むことのできる編み物は、数少ない気晴らしのひとつになると同時に、当初、友人や知人のいなかった場所で仲間を見つける貴重な機会でもありました。

楽しみながら毛糸に触れ、寒い地域での生活の中で培った高い技術を用い、丁寧に編まれた良質のハンドメイドニットは評判を呼び、「被災地支援商品」という枠を超えて愛されるようになりました。

宮城県で被災した女性たちが、Kate & Co. のつくり手の中心です。「さみしくて仕方ないと感じることもあるけれど、手を動かす仕事をしていれば、孤独を忘れ、楽しく心やすらぐ時間を持つことができます」「どんな方に使っていただけるだろう、と思いながら編むことで、想像の翼が広がり、気持ちがパッと明るくなるんです」と、作品づくりの時間を大切にしながら毎日を過ごしています。

あの日から今日で何日、と過ぎた日の数ばかりを数えていた日々から、約束のあるあの日まであと何日、と、前を向いて日にちを数えるようになれた経験とスピリットは、震災後10年以上の月日を数えた今もKate & Co. とともにあります。

Kate & Co. は、関わるすべての人の居場所のひとつとして存在し続けることを目指し、そして、ハンドメイドブランドとして手を動かした人に対するフェアトレードを重視します。少人数で小規模の、小さな小さなチームですが、これからも信じる道を歩みます。